新しいユニコア (Duo-Core)

Duo-Core は、高い特性を維持しつつ組み立て易さも可能にした単相およびエバンス型の三相トランス用の新しいユニコアです。 対象となるトランスの大きさは形状にもよりますが、1KVA から 200KVA 程度が適正サイズとなります。
従来のユニコアと違って、電磁鋼鈑の厚みは 0.35mm でも利用できます。 組み立て易くするだけのためのアニールも必要としないので、コスト面からも画期的で経済的なコアとなりました。

NEW!

Duo-Core は新しいプログラムを搭載して、従来機で造れます。 プログラムを実行しますと、まず、コア・レッグ
の長さに合わせてコア組み時のガイドとなる板が2枚自動的に切り出されます。 次に、一番内側のコアとなるフ
ル・コアが1枚造られます。 このコアは左右から雄雌のコアが交互にコイルに挿入される際にコアの形を保持す
るための芯となります。(左右からコアに過度の圧力を掛けると、コアが歪んで特性にも影響します。)

Duo-Core 自体は、雄と雌の二組のコアからできています。 雄と雌は、独立したプログラムとなっていますの
で、実際のコアの製造に際しては、雄は雄だけ必要台数を連続して造り、次に雌を必要台数だけ連続して造り
ます。

Duo-Core では、雄雌の合わせ目は、ディストリビュータ・ギャップとなります。 
プログラムをデフォルトで構成すると、コア窓の長い方(コア・レッグ)の両コーナーから、それぞれ20mm内側が
最初のカット位置となり、10mmずれて次のカット面となります。 例えば、コア・レッグが100mmでは、それぞれの
コーナーから20mm内側からスタートします。 従って、2枚目以降は 100-20x2 = 60mm の範囲で造られます。
10mm ずつずれて切断されますので、60÷10 + 1 = 7 枚が一つのグループ(パケット)となります。
雄雌は最初のコアが一番長く、10mm ずつ短くなってバケットを構成します。

コアをコイルに挿入する時は、パケット毎に入れます。 芯をコイル内に装着したら、まず雄の一番内側のパケ
ットを取り出してコイルに挿入します。 次に、挿入されている雄の上にガイド板を被せ、反対側から一番内側の
雌のバケットをガイドに沿って挿入します。 雌が入ったら、ガイド板を引き抜きます。 これを交互に繰り返します。
コアはコイルに平行に挿入されるだけですのでDギャップのようにコアを開いてコイルに装着する手間がありま
せん。 最後の雌が挿入されたら、コアを樹脂ハンマーで整え、コアの両端をTIG溶接で点付けします。 コアと
コイルの間に隙間があれば、絶縁物の楔を挿入し、固定します。
コアは両方のレッグで合わさった2セットですが、雄雌がパケット毎に重なり合いますので、特性劣化を最小限に
抑えています。


DUO-CORE 単相内鉄トランスのコア組み


ステップ 2

DUO-COREの雄の一番内側パケットをフルサイズのコアの上に挿入します。パケットを少し開き加減で挿入すると楽に入ります。

ステップ 1

一枚目のフル・サイズコアを二個のコイルに挿入する
ステップ 3

挿入し易くするためにガイドとなる薄いシートを二枚用意し、片側をゆるやかに曲げてコイルに挿入します。
ステップ 4

ガイド板の上から雌部の一番内側パケットをコイルに挿入します。

ステップ 5

ガイド板を引き出します。

ステップ 6

ステップ2 から5の工程を繰り返し、最後の雄雌のコアまで挿入します。最後の2〜3の雄部を挿入する時はガイド・シートを反対向きにして使うと有効です。最後の雌の一枚はTIG溶接のために長くしたり、フル・コアにすることもできます。
STEP 5
STEP 3
STEP 2
STEP 4

ステップ 8

ステップ 7

ステップ 9

ステップ 10


 必要であれば、最後のコアが詰まった
 時点でテストします。
コアを押さえ付けてTIG溶接します。
 
 ノイズを減らすために、コイルとコアとの隙間
 に詰め物をすると効果的です。

 
  全含浸して、トランスは完成します。


DUO-CORE の三相トランスのコア組み

E あるいはエバンス型の三相トランスに、DUO-CORE は有効です。
組立工程は単相工程に類似していますが、次の工程が加わります。



   
1. 最初の内側コアをコイルに挿入し、TIG で止めます。

   2. 二番目の内側コアを、コイルに挿入し、TIG で止めます。

   3. 二つの内側コアの間隙に、軽く楔を入れて固定します。


   4. 外側のコアをコイルに挿入し、TIG で止めます。

巻線機

資料請求